イッテQという番組で、出川哲朗さんが様々な国で、だれの力も借りずに名物スポットへ行く、という企画があります。
大変失礼ではありますが、出川哲朗さんは正しい英文を話していません。
ですが、毎回目的地に着くことが出来ています。
なぜそんなことが出来るのでしょうか。
この記事では出川さんの英語の発音からその謎に迫りたいと思います。
この企画のニューヨーク編で、出川さんは「自由の女神像へ行け」というクエストを渡されました。
自由の女神は、the Statue of Liberty(スタチュー オブ リバティ)と言います。
statueは像、libertyは自由・解放の意味です。
出川さんはこの単語を知らなかったようで、四苦八苦されます。
お土産屋さんで、自由の女神が緑色であることを知り、その特徴を説明することで、通行人から自由の女神が英語ではスタチューオブリバティと言うのだ、と知ります。
しかし、完全には聞き取れなかったようで、出川さんはこれを「スタジオリブリ」(スタジオジブリ的な?)と解釈してしまいました。
カタカナで見ると、「スタチューオブリバティ」と「スタジオリブリ」はかけ離れているように思えます。
ですが、発音の観点で見ると、出川さんは耳がいいんだということがわかります。
まず、the Statue of Libertyの発音記号を見てみましょう。
辞書を見ると、以下のように表記されています。
stǽtʃuː / əv / líbərti
これをカタカナで表現すると・・・
sターチュ アブ リバティ
このように表現できます。
このとき、Sは母音を伴わないので、息が抜ける音だけします。
さて、ここでポイント1つ目です。
アメリカ英語の特徴の一つとして、Tの発音がLやRの発音に聞こえることがあります。
例えば、waterは日本人は「ウォーター」と読みますが、アメリカ英語では「ウォラ」と読みます。
littleは「リトル」ではなく、「リロゥ」と読みます。
そして、libertyは「リバティ」ではなく、「リバリ」と読むのです。
ですから、Statue of Libertyは「sターチュ アブ リバリ」のように発音します。
母音を伴わない子音は、早口で言うと聞こえなくなることが多いので、これをもっと早口で言うと、「sタチュ ァ リbリ」のように聞こえます。
「スタジオリブリ」にだいぶ近づいてきましたね。
最後にポイント2つ目、「ジ」と「チュ」について触れたいと思います。
日本語には発音記号がないので、私の解釈で説明しますと、「スタジオ」の時のジは、「ヂュ」というときと似ています。
発音記号で言うと、[ʒ]に当たります。
これは実は、[tʃ]が濁った音なんです。
日本語で「スタジオ」というと、英語圏の人には「sタヂォ」と聞こえるわけです。
Statueのあとにofが来ているので、「sタヂォ」は「sタチュ」が濁ったバージョンと、「アv」がくっついたものだ、と解釈しているのだと思われます。
この2点を総合して、「スタジオリブリ」が"Statue of Liberty"と言っているように聞こえるのです。
いかがでしたか?
出川さんの英語は決して正しい英語とは言いにくいですが、知らない英単語を聴いた時のリスニング力はなかなかのものを持っているといえますね。
耳で聞いたままを言う、ということを練習すると、リスニング力の向上につながります。
ぜひお試しください。
0 件のコメント:
コメントを投稿